“動き方のレール”まで設計するのがマネジメントの本質
――型のない変革期において、現場は“自走”できない
私たちディーセントコーハが支援の現場で最も強く感じるのは、変革や新規事業のフェーズこそ、“現場が動くための工夫”が要るということです。変革期に取り組むテーマの多くは、これまで先輩から教わってきた仕事でも、組織に根付いたルーティンでもありません。
つまり、「教科書がない」「誰に頼めばいいかわからない」「手続きの型が通用しない」状態です。
このような“未踏の領域”において、現場に「動け」と求めるだけでは動けません。 むしろ、現場に任せきりにしてしまうと、「そもそも何から手をつければいいのか」「誰と相談していいのか」が分からず、停滞してしまうのです。
動き出すためには、“レールの設計”が必要だ
私たちが繰り返しお伝えしているのは、現場が“動くためのレール”を設計するのが、上層の役割であるということです。
- まず、誰と何を話すべきか?
- どのフェーズでどの意思決定が必要か?
- 関係者の巻き込み方はどうするか?
- 調整が必要な部門・権限はどこにあるか?
こうした“動き方そのもの”が決まっていないと、現場は動きたくても動けません。
上が道を見えていないのに、「スピード感を持って動け」というのは、実は最も非合理な指示なのです。
外部コンサルの役割は、「道筋とタイミング」をつくること
私たちディーセントコーハのような外部支援者が入る意味は、単なる知見提供やアウトプット代行だけではありません。
ときに、組織の意思決定のタイミングそのものを“無理やり”作ること。
ときに、止まりかけた議論を動かす“強制装置”として機能すること。
そして、「まず何から考えるか」「誰とどこで意思決定するか」といった“レール”を外から引いていくことこそが、私たちの支援の本質だと考えています。
最後に:現場が「動けない」のではなく、「動き方が設計されていない」
現場は本来、動きたいと思っています。
その“やる気”や“危機感”は十分にあります。 問題は、「どこを見て動くか」「どこまでやっていいか」「誰と連携すればいいか」が曖昧なままになっていること。
それを整理し、“動ける構造”を先に整備することが、マネジメントにおける変革の第一歩なのです。